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バードからベッドへ – 我が家の羽毛布団の全貌に迫る

アイスランディック・ダウン社のストーリーは、アイスランドのサガで語られるに(たぶんほとんど!)値するもののです。アイスランドの大自然に囲まれたフィヨルドで、鳥を保護することでもたらされた羽毛を使い、手間と時間をかけて丹念に手作りされた私たちの製品は、1000年前の伝統的なアイダーダウン生産方法を踏襲しています。

私たちが作るすべての羽毛布団には、膨大な量の仕事、職人技、配慮、そして何よりも情熱が込められています。

この記事では、私たちが集めた羽毛素材がお客様のベッドを暖める寝具になるまでの、全プロセスの「舞台裏」を詳しくご紹介します。

アイダーダックの保護区はロズムンダルフョルドにあります

この物語は、アイダーダックの保護農家であるオリとヨハンナの2人から始まります。毎年5月になると、彼らはアイスランドの東にある魅惑的なフィヨルド、ロズムンダルフョルドに向けて船を出します。フィヨルドに続く山道は、春の終わりにはまだ雪に覆われていて、船以外ではまったくアクセスできません。どのような道なのかは日本語の記事がこちらにあります。

そこにはオリとヨハナが営む、小さなアイダーダックの保護地区があります。2001年以来、彼らはアイダーダックに安全な場所を提供し、持続的に羽毛を採取しています。その努力の結果、巣の数は1,000羽から現在では6,000羽にまで増えました。

彼らは保護区に到着すると、巣作りのための準備に取りかかります。2週間をかけて100〜250個の新しい巣を作り、キツネ除けのネットを張り、何百ものカラフルな旗を掲げてアイダーダックが農場に定住するように促します(そして外敵であるカモメを追い払います)。

彼らは文明から完全に隔離された場所で仕事をしています。実際、そこに電気の供給はなく、ディーゼルモーターとソーラーパネルで凌ぎます。調理用も兼ねた薪ストーブで、家を暖めるのに2日かかるという場所。まれに訪れる訪問者も、ほとんどがスノーモービルでやってきます。

ロズムンダルフョルドでの2カ月間は狂乱の日々です。鳥たちが到着すると、オリとヨハンナは常に掃除をし、網を直し、巣を交換し、キツネやカモメ、ミンクなどの捕食者からアイダーダックを守るために、日夜交代で見張りをします。大変な仕事ですが、彼らは20年経った今でも、もこの時期を心待ちにし、大切にしています。

アイダーダックが海に戻る時、やっとオリとヨハナは苦労の報酬であるアイダーダウンを手に入れるのです。

愛情をこめて羽毛の収集とクリーニングを行います

アイダーダウンの保護養殖は、考え得る限り最も持続可能で動物に優しい方法です。アイダーダックが巣を捨てて人間が作った保護地区を去るとき、彼らは貴重な羽毛を巣に残していきます。もしもオリとヨハナがいなければ、柔らかく軽い羽毛は風で吹き飛ばされ、鳥たちは肉食動物により絶滅の危機にさらされていたことでしょう。

保護地区を守る農家の人々は、何日もかけて、ひとつひとつの巣から手作業で羽毛を集めます。そして羽毛布団1枚を作るのに、40〜60個の巣から採取した羽毛が必要になります。

採取した羽毛は寝具素材となるまで、7つの工程を経ます。

1. 乾燥:羽毛はメタルラックの上で48時間天日干しされます。
2. 殺菌 : アイスランド製の特注オーブン(70年以上前のもの!)で24〜36時間加熱し、虫などを死滅させます。
3. 機械洗浄 : 特殊なタンブリングマシンで、羽毛をワラや汚れから分離します。
4. フェザー除去:別の機械でフェザーや硬い軸の95%を除去し、最も純粋で柔らかい羽毛だけを残します。
5.手作業による洗浄 : ダウンの検査と洗浄は手作業で行われます。1キロに8-10時間が費やされる根気のいる作業です。
6. 機械洗浄 : 品質を保つダウン専用の特別な石鹸を使い、機械洗浄します。
7. 品質検査 : 徹底的に洗浄され、選別された羽毛は、アイスランド政府の検査官によってチェックされ、承認、認定がなされます(それだけアイスランドでは羽毛が重要なのです!)。

オリと(当社の創業者)ラグナは、アイダーダウンのクリーニングを手作業で進めながら、アイダーダックやアイスランドにまつわる昔の話を色々と聞かせてくれました。。

「それはまるで儀式のようでもありーーー瞑想のような境地にもなります。オリが教えてくれる話はそれは興味深く、魅力的で、退屈するひまがありません!」とラグナ。

巣立ちの季節が終わり、アイダーダウンを乾燥させて保管すると、2ヶ月間オリとヨハナの世界の全てだったアイダーダックと保護地区に別れを告げます。二人は近隣のボルガフョルヅル・エイストリに戻り、来年のアイダーダウンのシーズンまでの日々を数え、心待ちに過ごすのです。

お客さまのお好みに合わせてお仕立てする寝具

アイダーダウンの羽毛布団や掛け布団は、一枚一枚丁寧に作られています。ドイツ製の最高級ダウンプルーフ442スレッドシルク(または475スレッドコットン)のケーシング布地を使用し、エアガンを使って24~60個のバッフルボックス(羽毛を入れる3次元構造の袋)のコンパートメントにアイダーダウンを充填します。これにより、羽毛が布団全体に、均一に広がるのです。

その工程を終えた後、特注のミシンで羽毛布団を縫い合わせます。最後はアイスランドの新鮮な空気の中で羽毛布団を揺らし、羽毛が布団カバーに馴染むようにします

最後は配送の準備です。心を込めて仕立てた羽毛布団を、アイスランディック・ダウンのブランド名入りのバッグに丁寧に畳んで入れます。もちろん、羽毛の信頼性と品質を証明するアイスランド政府からの証明書も添付します。

お客様のニーズに合わせるカスタムメイド - アイスランディック・ダウン社では、羽毛布団のサイズ、ダウンの充填量、カバーの素材など、ふとん作りに関わるほとんど全ての要素をカスタマイズしています。そのため、お客様の好みに合った製品をご提供できるのです。

私たちの製品はすべて、ボルガフョルヅル・エイトリのこの町で、オーダーメイドで作っています。大量生産ではなく、お客様ひとりひとりに合わせたオーダーメイド・カスタムメイド製品なのです。これがアイスランディック・ダウン社が、以下の点で他のメーカーとは決定的に異なるのです。

品質と細部への絶対的なこだわり - 羽毛の収集から縫製する糸の一本一本まで、すべての工程を手作業で行っています。羽毛の品質へのこだわりは絶対的で、羽毛は目で見て、指先の感触でも確かめ、大半のメーカーを凌駕する完全無比の品質水準を実現しています。

私たちは日々、魅力的な鳥たちと、彼らが与えてくれる魔法のようなダウンに感謝し、刺激を受けています。この情熱をお客さまと分かち合えることを、とても嬉しく思います。もっと何かを詳しく知りたいという方は、お気軽にご連絡ください。創設者のラグナと日本担当がご対応させていただきます。