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グースダウンとアイダーダウン、布団にはどちらが最適なのか?

私たちは1日8時間、1年で2920時間、一生で219,000時間をベッドの中で過ごします。当然のことながら、みなさんは質の高い睡眠を求めていることでしょう。

グースダウンが最高に価値ある羽毛かけ布団の充填素材であることは、多くの人が認めるところです。確かにグースダウンには、以下のような利点があります。

  • ダウンパワー - 別名、ふんわり感。ダウンパワーが高ければ高いほど、より軽く、より暖かくなります。
  • 断熱性 - グースダウンは、熱を閉じ込める断熱ポケットを作ります。
  • 耐久性 - グースダウンは圧縮に強く、何年も形状を保ちます。
  • 手頃な価格 - グースダウンは高価でありながら、十分な価値があります。

それでは普通のダックダウンはどうなのか?普通のダックダウンは、合成繊維のものに比べて優れた睡眠効果を発揮するものの、ダウンパワーとダウン自体の品質が劣ります。ダックダウンには、保温性の低い羽毛や硬い軸のある羽毛が大量に使用されていることが多くあります。

しかし、この記事でグースダウンとダックダウンの比較をしたいのではありません。グースダウンとアイダー鴨ダウン(一般的にはアイダーダウンと呼ばれる)の違いをお話ししたいのです。

で、アイダーダウンとは何のことなのか?

アイダーダウンは、非常に特殊なダックダウン(鴨の羽毛)のことです。北極圏で繁殖し、アイスランド、スカンジナビア、カナダ、イギリス、シベリアなどに生息する海鳥のコモンアイダーの柔らかな羽のことをさします。

この素晴らしい鳥たちは、10ヶ月間を海で過ごします。アイスランドでは春になると、鳥は産卵と孵化のために陸に戻ります。その際に鳥自らが巣に敷き詰めるのが、柔らかくて保温性の高い羽毛(=アイダーダウン)なのです。産卵から孵化までの4週間、アイダーダックは食事をとらず、巣から離れるのは水を飲む時だけです。食事を忘れて卵を抱くため、この間に体重が35%も減少します

アイダーダックのダウンは、冬の海の厳しい寒さを乗り切り、孵化するまでの卵の保温に役立ちます。そしてこのダウンには優れた物理的特性があり、羽毛布団の素材として世界で最も愛されています。

Eiderdown in nest

アイダーダウンはグースダウンよりもの優れているのか?

客観的に見て良質なアイダーダウンやグースダウンは、世界で最も優れた羽毛布団です。

私たちがアイダーダウンのブランドである以上、当社の考えが100%客観的であるとは言えませんが、アイダーダウンとグースダウンには決定的な違いがあります。特にダウンの品質や倫理的な観点においては、お客様にぜひ知っていただきたいことがあります。

1. グースダウンは高品質なものと低品質なものがある(通常はその中間!)。

すべてのグースダウンが同じという訳ではありません。若いガチョウのダウン(市場に出まわるグースダウンの90%)は通常、保温性が低く、軸のある羽(フェザー)が多く含まれています(羽は手触りが悪く、布団カバーを傷めたり、圧縮に対するダウンの復元力を低下させます)。2-3歳の成熟したガチョウから採取されるダウンは、「ホワイトグースダウン」と呼ばれ、最高品質のものです。しかし、ホワイトグースダウンにも10~25%の羽が含まれています。

さらに、卸売業者は若いグースダウンと成熟したグースダウンを混ぜていることが多く、消費者が羽毛布団の中に入っているダウンの品質を判断することは困難です。

その点アイダーダウンは、その中でも特にアイスランドのアイダーダウンは判断しやすいのです。本来、アイダーダウンには羽(フェザー)がないため、断熱性に優れ、長持ちします(潰れたフェザーは羽毛布団の復元力を弱めます)。

アイスランディック・ダウン社では、アイダーダウンが正真正銘のアイスランド産アイダーダウンであることを保証するアイスランド政府による証明書を添付しています。高品質で純度100%のアイダーダウンをお届けすることのお約束です。

アイダーダックは、一般的な養殖ガチョウのように若い時に羽を採られるのではなく、野生のまま寿命を全うします。そのため、長い年月をかけて太くて質の高い羽毛を育てることができるのです。それにより必然的に、より快適で高品質な羽毛布団を作ることができるようになります。

2. 保温性と密着性に優れた羽毛かけ布団

ワイルドグースのダウンとアイダーダウンの物理的特性を比較した2017年の研究によれば、アイダーダックのダウンは、(羽毛の毛足の長さによる)保温性とクリング(ダウンがどれだけ互いにくっつくかで、元の形を長く保つことができる)の両方で大きな優位性を示しています。

これは、アイダーダックが年に10ヶ月間、北極圏の冷たい水の中で生活をすることと、巣にダウンを敷き詰めることにより、北国の冷たい風から卵の保温を守る必要があるからです。

進化の理由はともかく、客観的にグースダウンよりもアイダーダウンの方が暖かく、寝具の寿命も長く、グースダウンの羽毛布団や掛け布団が形や保温性に寿命が訪れても、アイダーダウンは安定した暖かさを保つことができます。

3. . 水鳥産業における倫理的懸念 

別の記事でご紹介したように、ダウン業界には様々な問題があります。ダウンの大部分は食肉産業の副産物ですが、ライブプラッキングは今でも一般的に行われています。

寝具のことで心を痛目ることなく、ぐっすりと眠れた方がいいと私たちは思っています。

アイダーダックは商業的に養殖された水鳥(アヒルやガン)とは異なり、ヒナが育てば巣を捨て、北極海に戻っていく野鳥です。

ここアイスランドでは、農家がカモを呼び寄せるための特別な保護区を作っています。アイダーダックを外敵である捕食者から守るためです。羽毛の採取も手作業で、ひとつひとつの巣から丁寧に集めます。1kgの羽毛を集めるのに50〜70個の巣が必要です。