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アイスランディック・ダウン社創業者、ラグナに聞く


アイスランディック・ダウン社は、2019年にボルガルフィヨルズル・エイストリで創業した家族経営の会社です。以来、オーダーメイドのアイダーダウン寝具を、世界中の何百人ものお客様に販売するまでに成長しました。

今回は、ダウン社の創業者であるラグナにインタビューし、会社設立のきっかけや寝具業界のこと、そして彼女の母国アイスランドについての話を聞きました。


まず、ご自身のことを教えてください。

私の名前はラグナ・オスカルスドッティルです。アイスランディック・ダウン社の創業者兼CEOで、製造やカスタマーサービスなど、会社の日々の運営を担っています。夫のソルリルと2人の子供、アストロスとヨークトルと一緒にアイスランドの東部に住んでいます。アイスランディック・ダウン社の前は、長男のクリスチャンと栄養学のウェブサイトを運営していましたが、2017年にそれをHealthline.comに売却しました。私の経歴は、主に経営と営業です。


会社設立の経緯はどのようなものでしたか?

2017年に夫と私は、ボルガルフィヨルズル・エイストリという美しい村にサマーハウスを購入しました。それ以前はレイキャビクに住んでいました。ボルガルフィヨルズルは景観も美しく、暖かな地域コミュニティもあり、最初からとても気に入っていました。私たちは間もなくアイダーダック農家のオーリーとその妻ヨハンナと仲良くなりました。

その1年後、彼らが夏の間鴨の世話をしているログムンダルフョルヅルの鴨聖域を訪れました。これがアイスランディック・ダウン社の始まりだったのです。私は人と鳥たちとのユニークなつながりと、彼らが脈々と受け継いできたアイスランドの美しい伝統にすっかり魅了されてしまったのです。長い冬の間に計画を立て、リサーチを行い、私たち2家族で2019年にアイスランディック・ダウン社を設立しました。

ログムンダルフョルヅルにあるアイダーダックの聖域

アイダーダウンに魅了された理由は?

アイダーダウンはまるでトールキンの神話に出てくるような、とても不思議な素材です。非常に柔らかくて暖かいのに、軽くて圧縮に強い。それ以外にも、アイダーダウンにまつわる魅力的なストーリーに惹かれました。アイダーダウンは、動物愛護の精神に基づく倫理的で持続可能な、鳥に一切害を与えない唯一のダウン素材なのです。

また、アイスランドには建国以来、アイダーダックの養殖が行われてきた長い歴史があり、古き良き時代の郷愁を誘うものもありました。


寝具業界について、何か意見はありますか

一般の方は、羽毛布団や枕に使われている羽毛の裏側を知らないと思います。羽毛のほとんどは、中国で養殖されたガチョウから取れたものです。残念ながら、ガチョウの羽毛の大部分は、食肉産業の副産物か、生きたまま摘み取られたもののどちらかでしょう。

生きたまま羽をむしり取る「ライブ・プラッキング」は、鳥に大きな痛みと害を与えます。合成羽毛は、環境にやさしくないとされる石油化学製品から作られていますし、保温性、通気性、圧縮抵抗の面で高品質の鳥の羽毛に匹敵するものはまだありませんね。

御社の試みはそれとはどう違うのでしょう?

倫理観とサステナビリティです。サステナビリティとは、自然と調和した伝統的な農法や製造工程を用いることです。アイダーダックは野生の鳥で、鳥たちが私たちの保護区に自発的に巣を作るのです。鳥が自ら巣を放棄したときのみ、私たちはアイダーダウンを採取します。

私の知る限り、アイダーダウンは世界で唯一、動物に優しい羽毛素材です。

アイスランドでは人と鳥の間に特別な関係がある

平均的な1日はどのような感じですか?

朝から晩まで、さまざまなタイムゾーンに住むお客様とコミュニケーションをとっています。アジアは私たちより何時間も早く目が覚めますし、アメリカは私たちよりずっと遅くまで眠りません。それ以外の時間の大半は、オーダーの管理や製造、ビジネスの運営に費やします。夏場の羽毛の回収やクリーニングの時期には、その手伝いもします。そういった作業の日が一番楽しみです!


一緒に仕事をしているのは?

ビジネスが急成長しているため、常に多くの人が関わっています。製造と品質を担当しているのは、主に娘のアストロスです。彼女はソーシャルメディアや写真も担当しています。息子のクリスチャンは技術やインターネットの魔法使いで、夫のソルリルは機械やロジスティクスを担当しています。そして、地元の女性2人が製造部門で一緒に働いています。そのほかにも、遠隔地のチームメンバーが数人いて、私たちのオンライン活動のためにさまざまなタスクを手伝ってくれています。それから忘れてはいけないのがオリで、アイダーダウンの品質チェックを一緒に行い、私たちをいつも元気づけてくれます!


仕事をしていて一番嬉しかったことは何ですか?

ログムンダルフョルヅルに初めてアイダーガモがやってきて、孵化するのを見たときです。野生動物が人間のそばでリラックスしている姿には、今でも驚かされます。地域社会の発展に貢献すること、さまざまな立場のお客さまとの出会い、注文した商品が届いたときの喜びのメールを見ると、いつも笑顔になります。

カモの聖域を見つめるオリとヨハンナ

一番苦労したことは何ですか?

私たちは実店舗を持たないため、商品を実際に見たり触ったりすることができない状態で、お客様と信頼関係を築きながら購入していただくこのが、一番腐心していることです。


なぜ、御社の製品が買われるのだと思いますか?

私たちは、お金を払ってご購入いただくお客様が、サイト訪問者のごく小さな一部であることをよく承知しています。その多くは富裕層の方々で、製品の品質やサステナビリティを何よりも優先しているお客様です。そのことを理解し、購入のプロセスを通じて、お客様一人ひとりを大切にしています。他のeコマースストアよりもはるかにパーソナルで、世界中にペンパルがいるような気分です


現在のアイスランディック・ダウン社の取り組みを教えてください。

2019年に創業以来、急速に成長しています。嬉しいことに、すでに複数のリピーターの方がいらっしゃいます 1月にウェブサイトを全面的にリニューアルした後、現在は日本語への翻訳も兼ねて、オンラインでの取り組みを拡大することに注力しています。それと、最近アイスランドのベストeコマースサイトにノミネートされました。これはとても光栄なことです。


今後の予定は?

私たちの最大の目標は、海外市場に進出し続けることです。製品ラインアップを進化させ、寝具に欠かせないシーツやカバーを提供する企業との事業提携も考えています。でも、アイスランディック・ダウン社の最大の魅力は、その素朴さの中にあると思います。それは、快適な寝具を制作するという目的を、愚直に誠実にこなしていくことです。これからも今まで以上にそうありたいと思っています。

アイスランドが誇るサスティナブルなアイダーダウンの寝具

他に話したいことはありますか?

今のところ以上です。読者の皆さん、お気軽にメール(ragna@icelandicdown.com)、またはホームページのメッセージでご連絡ください。喜んでお話させていただきます。